日頃より、獅子田流篠笛、獅子田竹峰、獅子田竹渓をご愛用頂きまして、心よりお礼申し上げます。
弊社では、大正3年(1914年)に初代中村甚五郎が獅子田流笛師(新山氏)に師事して以来の伝統にのっとった篠笛製作を現代に引き継ぎ、現在は弊社「入谷工房」にて丹精こめて篠笛を制作し、獅子田の名を冠した篠笛として提供させて頂いております。
お陰様で、獅子田と言えば弊社が制作する篠笛であるとしてご愛用の皆さま、販売店の皆さまにご認識頂いておりますが、弊社では様々に変化する時代環境のことを考え、いにしえの京都までも遡ることができる獅子田の名に恥じない篠笛の制作を続けてきた笛師として、伝統ある獅子田の名前を末永く護っていくために、平成11年6月24日に獅子田を登録商標として特許庁に出願し、平成12年2月18日には登録番号第4362019号の商標権として登録をうけております。
この登録商標「獅子田」については、或る笛師の方が、当社を相手方として、自身で制作販売する篠笛に「獅子田」との表示を使っても商標権侵害にならないと主張して特許庁に判定請求という手続をとりましたが、特許庁はこの主張を認めず、当社の反論を支持する結論を出しました。一方、当社からは、或篠笛の販売業者に対し、この商標権侵害を理由とする損害賠償請求訴訟を東京地方裁判所へ提起した事案がありましたが、この事案も、当社として納得できる決着となり、現時点で未解決の係争事案はございません。
以上のような経緯を踏まえ、商標権の権利者である当社として、引き続きこの登録商標を大切に守り、精進を重ねて、伝統ある名前に恥じない優れた篠笛「獅子田」を制作し、皆様に提供させて頂く所存でおりますので、「獅子田」を引き続きご支援賜ります様にお願い申し上げます。
有限会社 大塚竹管楽器 代表取締役社長 大塚 敦